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周波数特性の波長依存性について

* 周波数特性の波長依存性について

 多くのシリコンフォトディテクタには、入射する光線の波長により、周波数特性が変化する性質があります。下のグラフ「Figure 1」は高速シリコンPINフォトディテクタの周波数特性例です。この例に示すように、短い波長領域では1GHz以上まで平坦なレスポンスを持つ素子であっても、長い波長では比較的低い周波数から棚状にレスポンス低下がみられる事があります。

 周波数特性の高周波域でのレスポンス低下は、観測光の波長がPDの最大感度波長よりも長くなるあたりから顕著になります。SPD-1、SPD-2、SPA-2に使用しているフォトディテクタにも同様の性質がみられます。これらの機種では基準波長ごとに回路の補償定数を変えて、製品全体としての周波数特性の平坦性を得ています。

Figure 1

したがって、SPD-1、SPD-2、SPA-2においては、製品の基準波長と異なる波長の光を観測した場合、製品の周波数特性がフラットに維持されず、波形に歪みを生じる事があります。O/Eコンバーターに入力している観測光を急速に遮断し、その瞬間に得られる出力電圧波形の様子を以下に示します。


* SPD-1_650nmを用いた例

 左の波形は、製品の基準波長と観測光の波長が近い場合です。観測光遮断直後、出力電圧は直ぐにダークレベルに落ちつき、その後は平坦な波形を示しています。

 右の波形は製品の基準波長よりも長い波長の観測光の場合です。SPD-1_650nm内蔵アンプでの周波数特性補償は、850nmの観測光に対しては不足となり、高周波域において周波数特性のレスポンスが下降している様子が確認できます。

SPD-1_650nm658nm観測光を入力し、

急速遮断した時の出力電圧波形

 

SPD-1_650nm850nm観測光を入力し、

急速遮断した時の出力電圧波形

 


* SPD-1_850nmを用いた例

 左の波形は、製品の基準波長と観測光の波長が近い場合です。観測光遮断直後、出力電圧は直ぐにダークレベルに落ちつき、その後は概ね平坦な波形を示しています。

 右の波形は製品の基準波長よりも短い波長の観測光の場合です。SPD-1_850nm内蔵アンプでの周波数特性補償は、658nmの観測光に対しては過剰となり、高周波域において周波数特性のレスポンスが上昇している様子が確認できます。

SPD-1_850nm850nm観測光を入力し、

急速遮断した時の出力電圧波形

 

SPD-1_850nm658nm観測光を入力し、

急速遮断した時の出力電圧波形

 


 ~ 周波数特性の波長依存性が殆どない製品のご紹介 ~

 シリコンフォトディテクタの中には、周波数特性の波長依存性がほとんど見られない素子も存在します。SPD-3SPA-3SPD-4SPA-4の各機種では、このようなフォトディテクタを使用しているため、観測波長によるレスポンス変化は見られません。1台のO/Eコンバーターで、いろいろな波長の観測を行う場合には、SPD-3SPA-3SPD-4SPA-4のご使用をお勧めします。

* SPD-3を用いた例

SPD-3658nm観測光を入力し、
急速遮断した時の出力電圧波形

SPD-3850nm観測光を入力し、
急速遮断した時の出力電圧波形



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